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2024年に際して

 弊社にとって昨年2023年に起こったエポックメイキングな出来事は、急速に市場に出回ったUSBカメラ(WEBカメラ)の充実ぶりです。
 insta360 LinkやOBSBot Tyny2などの小型で高性能・高機能なWEBカメラ、WEBカメラとしても使えるCanon PowerShot V10やDJI Osmo Pocket 3などのVlogカメラの出現です。
 注目する理由は、これらのカメラの映像がドライバ不要で標準規格のUVC(USB Video Class)として簡単にPCに取り込めることです。
 このことがライブ配信のゲームチェンジャーとなりうると考えました。
 例えば一般企業で社内イベント、ウェビナー、オンライン研修などのライブ配信を内製化する際、これまでカメラの映像はSDIかHDMIで出力されていたためビデオスイッチャーで切替・合成をするのが一般的でした。
 ビデオスイッチャーの欠点は操作方法を習得するための学習コストが必要なことです。
 ビデオ機材に不慣れな担当者であればライブでのスイッチングミスは許されないので相当な負荷がかかってしまいます。
 そこで弊社ではPCに接続された複数のUSBカメラ、キャプチャーボードでUSBに変換されたHDMIカメラのUVC映像を、ビデオスイッチャーと同様に切替・エフェクト合成ができるようにしたソフトを開発しました。更にその映像に対してこれまで弊社で開発してきたテロップやスポーツコーダを自由に重ね合わせてエフェクト合成ができます。
 また、台本にしたがったライブ映像とテロップの組み合わせをスケジュールに従ってプリセットも可能にし、ワンオペで確実なライブ映像画作りと進行を可能にしました。
 そればかりか、合成された映像をNDIにエンコードしネットワーク上に流通させ、別のアプリでそのNDIソースをベースに更なる合成もできるようにして大規模なライブコンテンツ制作が容易にできるようにしました。

 このように従来型のSDI,HDMIのベースバンドによるシステム構築は古式ゆかしい過去の手法になりつつあります。
ライブ配信とは、カメラやマイクからアナログ電気信号をデジタル変換してPCやクラウドに入力し、処理したデジタル信号をアナログ変換してモニターやスピーカーに出力することです。その際のA/D変換、D/A変換の接続ケーブルは今後USB Type-Cケーブルに収斂されるようです。
 USBやイーサネットの高速化により、映像信号がビデオ機材を使用する必要とする特別なものでなくなり、テキストや画像の様に手軽にハンドリングできるようになりました。

 御質問、御意見、御要望などinfo@enable-inc.co.jpまでお寄せいただければ幸いです。

 イネーブル株式会社 代表 安河内博幸

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